「海から陸へ」
堀内弘栄,1月,神奈川県平塚市土屋

  この大磯丘陵土屋の露頭では、約12-13万年前の寒冷化による海面の低下が地層に記録されている。この露頭の場所は最初、海岸だったので、画像下1/3に見られる明るい灰色の海岸砂(吉沢砂層)が堆積した。海面の低下により徐々に陸化したため、海岸の湿地帯となり、砂層の上に植物が生え黒色の泥炭層や土壌が堆積した。当時は箱根火山が数100?1000年に一度位の割合で大きな噴火を起こしていたので、暗色の泥炭・土壌層の間に明色で縞々の箱根の噴出物が挟まっている。この露頭は地主の方のご厚意で常に地層が観察できるよう手入れがされている。