火山の山麓には火山とともに暮らしてきた人々の歴史があります。記録がはっきりと残っていない時代の噴火でも、山麓で語り継がれる伝説の中に火山災害が描かれている場合があります。また最近に起こった噴火では、噴火の記憶が語り継がれ、災害の跡が遺構として残っています。時には火山と人間のドラマは文学作品となり後世まで語り継がれています。
山麓の人々は火山をただ恐れるだけでなく、郷土の山としての敬ってきた歴史も神社・寺院やお祭りなどに見ることできます。また火山が郷土の山として絵画に描かれ、民謡や校歌に歌われていることも多いでしょう。火山の恵みを利用した特産品が地域の象徴となっている場合も多くあります。
火山の存在によって生まれた歴史・文化・芸術も地域の貴重な資源と言えます。
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富士山の山じまいを告げる吉田の火祭り
噴火を鎮めるための祭りがその発祥といわれる
撮影:田島靖久
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