北海道駒ケ岳


ベスビオ火山噴火の数値シミュレーション

 Geophysical Research Lettersという地球物理学の専門雑誌に先月、掲載されたスーパーコンピューターによるベスビオ火山噴火の数値シミュレーション研究が、ニュースになっています。

Reuters
Erupting Vesuvius kills 300,000 -- in simulation

 ニュースサイトの記事では、数値シミュレーション結果から予想される被災地域を考えると、事前に避難ができない場合、少なくとも30万人の死者が出ると生々しく伝えています。発表された研究そのものは、噴煙や火砕流の物理モデルに基づき、実際のベスビオ火山の地形上で噴火を再現する数値計算を4次元(3時限空間+時間)で初めて行ったというものです。

原著論文
Neri, A. et al., 2007.
4D simulation of explosive eruption dynamics at Vesuvius.
Geophysical Research Letters, 34: L04309.

INGV, Pisaによる解説ページ(お薦め!)
4D simulation of explosive eruption dynamics at Vesuvius

 シミュレーションでは上空に昇りきれなかった火砕物を含む噴煙が崩壊し、火砕流として山腹を流れる現象が再現されています。

 解説ページでは、シミュレーション結果のアニメがDLできます。一番左のアニメでは噴火開始から20分かそこらで山麓まで火砕流が達していて恐ろしくなります。

 確かに衛星画像を見ると、ベスビオ火山の火口から10km以内の山麓地域に街が広がっているのが観察できるので、大噴火で火砕流が発生した場合には、大変な災害が起こりそうです。

Google Map :ベスビオ火山

 ベスビオ火山の火山防災といえば、昨年、日本で行われた国際シンポジウム「火山防災と広域避難」では、ベスビオ火山噴火時には六十万人の住民を避難させる計画があることがイタリアの防災省担当者から発表されました。

山梨日日新聞
「噴火と避難」学ぶ 富士吉田でシンポ伊の研究者ら実情解説
10、11日に火山防災国際シンポジウム富士山噴火に備え態勢整備へ




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