北海道駒ケ岳

火山巡りの旅2008.1 伊豆新島・神津島編

文・写真:長島茂(しげちゃん)


1月1日夜


伊豆諸島への玄関口 竹芝桟橋客船ターミナル

東海汽船竹芝客船ターミナル内の様子
自宅→東京竹芝桟橋→東海汽船乗船出港

・午後7時原付に乗り横浜の自宅を出発。東京竹芝桟橋に向け国道15号線を北上します。

・午後8時半東海汽船竹芝客船ターミナルに到着。乗船受付と原付の貨物預け手続きを行い、乗船まで時間があるので、客船ターミナル内の食堂で夕食を食べました。

東京竹芝桟橋に停泊する東海汽船の客船
・午後9時半乗船時間になり、客船かめりあ丸に乗船します。今回向う新島は条件付入港でした。(悪天候時は入港しない)

・午後10時東京竹芝桟橋を出港、まず、伊豆大島に向け航海します。東海汽船の時刻、運賃表等



1月2日


伊豆大島岡田港に入港する東海汽船の客船
・伊豆大島→伊豆利島→伊豆新島入港→伊豆新島火山巡り

・1月2日午前6時まだ夜明け前の伊豆大島岡田港に入港。夜が明けた午前6時半に次の寄港地伊豆利島に向け出港します。

利島港桟橋より利島全景を見る。
・伊豆大島から約1時間後の午前7時過ぎに伊豆利島に入港します。停泊時間は短く10分程で次の寄港地伊豆新島に向います。



伊豆新島


前浜港岸壁より新島港に入港する東海汽船(右奥に見えるのは伊豆利島)
・伊豆利島から更に1時間後の午前8時40分無事に伊豆新島港に入港です。

・原付が収められたコンテナはトラックに載せられて、前浜港からちょっと離れた貨物集積場に運ばれます。客船より下船してからは貨物集積場に向けて海岸沿いの道を歩いていきます。

新島へのアクセス

・また、新島を紹介した観光映像も良く出来ております。新島観光紹介

新島前浜港から望む宮塚山

新島にある奇妙な顔のモヤイ像
・海岸の向こうには宮塚山が望めて途中の道脇では新島で良く見られるコーガ石で作られたモヤイ像がありました。



新島火山巡り南側編


新島空港から向山方向を望む
・貨物集積場にてコンテナより原付を受け取っていよいよ、新島火山巡りに出発です。最初は新島本村集落を東に走るとすぐに新島空港の滑走路が目に入って来ます。

・滑走路の向こうにはテーブル状に山頂部が平らな向山が望む事が出来ます。向山は新島で最新の噴火で出来た溶岩ドームです。

羽伏浦海岸で露出する火砕流堆積物層
・新島空港のターミナルを抜けると白い砂が広がる羽伏浦海岸に出ます。海岸線に降りて火砕流の堆積物層を観察します。高さ約20m程で薄く何層にも重なった向山噴火での白色の火砕流堆積物層です。

大峯展望台から宮塚山方向を望む
・次に向山に向うため、新島空港から本村集落を南に進み向山の周回道路に入ります。周回道路を時計回りに進むとやがて、新島の市街地が望める大峯展望台に到着します。ここからは眼下に東西に伸びる新島空港の滑走路とその向こうに宮塚山が望めます。

向山周回道路の大峯火砕丘横で見られる噴火堆積物層露頭

向山周回道路で見られる向山溶岩の丹後山火山岩尖
・大峯展望台から更に進むと道路脇には大峯火砕丘から噴出した白い火砕流堆積物の露頭が現れます。そして進行方向には尖がった山の丹後山が見えてきます。丹後山は向山噴火の最終過程で形成された火山岩尖です。

向山溶岩のコーガ石採石場

向山溶岩ドーム内にある抗火石採石場

向山採石場の展望台より南方向を望む(手前には式根島 奥は神津島)
・丹後山を過ぎて暫く進むと向山採石場の案内看板があって横道に入ります。薄いピンク色の向山溶岩を削った道でちょっと悪路ですが、採石場内は事務所と重機があり更に奥に進むと展望台がありました。海の向こうには式根島と神津島が望めます。

・この後、新島本村の予約していた民宿に寄り、昼食と休憩をして午後からは新島の北側を巡ります。




新島火山巡り北側編


富士見峠から向山方向を望む
・午後になり、今度は北側を巡ります。本村の新島グランドホテル近くから宮塚山へ向う細い上り坂の道を進むとやがて富士見峠に到着します。

宮塚山の富士見峠で露出する赤崎峰溶岩露頭

宮塚山の富士見峠で見られる羽伏浦火砕サージ堆積物層2
・富士見峠は展望がとても良く、新島の南半分が望めます。更に道路脇には赤崎峰の溶岩層と火砕サージの堆積物層が観察出来ました。

宮塚山登山道路で見られる若郷テフラと流紋岩質テフラ層露頭

宮塚山山頂
・富士見峠から更に登り、宮塚山山頂付近にて若郷テフラ層の露頭を観察して、その後、電波塔がある新島最高峰の宮塚山山頂に着き、山頂からはぐるりと伊豆諸島の島々が望めて山頂からの展望を楽しみました。

溶岩ドームを貫く平成新島トンネル(長さ2878m)
・宮塚山から本村市街地に戻り今度は新島北にある若郷へ向う事にします。最近出来た非常に長い新島平成トンネル(2878m)を通り5分程掛かってトンネルを抜けると火口地形のくだまきと呼ばれる場所に出ます。

淡井浦海岸で露出する玄武岩質の若郷ベースサージ堆積物層露頭
・くだまきと呼ばれる火口地形は阿土山火山の噴火初期に海岸付近だったこの場所でマグマ水蒸気爆発が発生して出来た火口です。

阿土山付近から見た くだまきと呼ばれる火口地形
・次は淡井浦海岸に向います。海岸へ降りると高さ約1〜2mほどの黒い堆積物の露頭があります。この露頭は若郷火山で噴出した新島では珍しい玄武岩質ベースサージでの堆積物層です。

・淡井浦海岸で観察している途中で雨が降り出したので暫く雨が止むのを待つことにします。

阿土山(あっちやま)で見られる玄武岩溶岩を包有する阿土山溶岩

阿土山で見られる流紋岩溶岩と玄武岩溶岩混合によるマーブル模様

阿土山で見られる流紋岩溶岩の中に捕り込まれている玄武岩溶岩
・30分程待って晴れてきたので次に阿土山に行きます。阿土山への林道は車両通行止めになっていたのでゲート前に原付を止め、徒歩にて阿土山へ向います。

・未舗装の林道を30分位歩くと阿土山山頂付近に到着します。この付近では薄いピンク色の流紋岩の中に黒い玄武岩溶岩が取込まれている様子が観察できます。

・ここで今日の火山巡りは終了して予約していた新島本村の民宿へ戻りました。



1月3日


前浜港岸壁より新島港に入港する東海汽船(右奥に見えるのは伊豆利島)
・新島港出港→式根島→神津島多幸港入港→神津島火山巡り→神津島天上山→神津島前浜の民宿

・午前7時新島の民宿を出発して前日に原付を受け取った貨物集積場に向います。

・貨物集積場で神津島までの原付バイク貨物受付を行い、ここから前浜桟橋まで徒歩で向います。前浜港にある東海汽船の客船ターミナルで神津島までの切符を購入して客船が入港するのを待ちます。

・やがて8時前になると港内で荷別を行う作業員の人々が集まりだし、貨物集積場からコンテナを積んだトラックが港に入って来ます。大型ホークリフトがトラックに積んでいたコンテナを桟橋に降ろして客船に積む準備を行っていました。

・8時過ぎになると北方向の海上にポツンと白い点が見えてきて徐々に大きくなって来ます。伊豆利島から新島港へ向っている東海客船の船影です。

・8時40分東海汽船の客船が新島港に入港して自分も乗船します。貨物コンテナは客船の前方にあるクレーンで船内に積み込まれて行きます。

・入港から約20分程で新島港を出港。次の式根島に向います。

・新島から約30分位で式根島港に到着。程なく出港して東海汽船大島航路終着港の神津島に向います。




伊豆神津島


神津島沖より望む砂糠崎(崖の中の黒い層は黒曜石層)と天上山
・式根島から30分もすると神津島の島影が大きくなって来ました。今日の神津島の入港地は神津島東側の多幸港だそうです。客船は神津島の東に沿って南へ進んで行きます。

・だいぶ神津島近づいた時に砂糠崎と呼ばれる崖の真ん中辺りが黒くなっているのに気付きます。これは流紋岩溶岩が変質した黒曜石の層です。


多幸浜より見た天上山溶岩ドーム

多幸港桟橋より天上山を望む
・砂糠崎を過ぎると客船は多幸湾に入って行きます。目の前には白い山肌を見せる天上山が望めました。天上山は神津島最新の噴火で形成された溶岩ドームです。山頂付近から海岸まで岩石が崩落していますが、2000年の群発地震により崩落が進んでしまいました。


多幸港に停泊する東海汽船の客船かめりあ丸
・そして午前10時神津島多幸港に入港です。客船から下船してコンテナから原付が出されるのを待ち、10分後に原付に乗り込み神津島火山巡りへ出発です。

神津島観光協会



神津島火山巡り編(前)


多幸港付近の道路に露出しているテフラ堆積層
・多幸港よりまず、島の西側にある前浜の市街地へ向います。上り坂の途中の道路脇には高さ約1mほどのテフラ堆積物の露頭が続いていました。

前浜市街地から望む天上山(572m)と高処山溶岩ドーム(右手前 299m)
・高処山と秩父山の間を通り抜け、急勾配の坂を下り前浜の市街地に入ると、谷の向こうには天上山が望めます。

前浜海岸付近で見られる 流紋岩溶岩のうずまき岩
・前浜市街地からは神津島西側の海岸線を北に進み漁港を過ぎるとやがて、奇妙な模様の岩が見えて来ます。渦巻き岩と呼ばれ神津島から噴出した流紋岩溶岩です。

・粘性が大きな溶岩流でゆっくりと流れる過程でちょうど、飴が練り込まれる様な模様が出来ます。

沼尻湾付近の背負崎で見られる顆粒状の結晶が含まれている溶岩塊
・更に北へ進み沢尻湾を過ぎて神津島温泉保養センターの先にある背負崎には溶岩塊が道路横にあって溶岩塊を観察します。結晶化した顆粒状の粒子が目立つのが解ります。

赤崎海岸で見られる流理構造の溶岩層
・海岸線沿いの道路を北へ赤崎海岸まで行くと前浜海岸で見た渦巻き岩より大規模な流理模様が見える岩が現れます。道路はこの先行き止まりになっていましたので、前浜市街地まで戻りました。

神戸山溶岩ドーム(採石場跡)
・続いて天上山に登るために神津島本道(神津島の幹線道路)を沢尻湾の近くから細い道に入ります。

・カーブが続く道で徐々に標高が上がっていきます。ゴミ焼却場を過ぎて、神津島の白島登山口と神戸山への分岐点に着き、まずは神戸山方向へ向います。

・道路には幾つもの露頭が連続していて観察しながら進んで行くとやがて採石場の跡地に到着します。

・この採石場跡は神戸山溶岩ドームの山頂部に作られており、以前はこの溶岩を採取しておりました。溶岩は新島のコーガ石に似ており、薄いピンク色した流紋岩溶岩です。

天上山6合目にある白島登山口
・次に分岐点まで戻り、今度は白島登山口方向へ向います。分岐点から3kmほど登ると神津島の白島登山口(6合目)に到着。原付を止めて、登山準備をします。

・白島登山口(標高360m)は山頂まで最も標高差(約200m)が少なく登れます。



神津島天上山編


天上山登山道より天上山火口縁の不入ヶ沢(はいらないがさわ)を望む
・白島登山口より天上山に向けて歩き出します。 ・最初は低木の木々の間を登って行くと10分ほどで視界がぱっと開け、森林限界を突破します。眼下には太平洋の海原が広がり、気分も最高です。

・白島登山口より約30分程の登りで天上山山頂部の火口縁に到着。此処からは火口縁に沿って進みます。この火口地形は不入ヶ沢(はいらないがさわ)と呼ばれていて古の伊豆諸島の神々が島々の水を分ける為の会議を行った神聖な場所と言われております。(水分神事)

・水分神事とはその昔に伊豆の島々が出来た後、神津島にて伊豆諸島の神々が島々の水を分ける為の会議を行う事になりました。その会議を不入ヶ沢で行うと決まり、会議が始まりましたが、島々の神様の言い分もあって、なかなか決まりません。

・そこで次の朝に早い者順で着いた神様に水を分ける事になりました。そして朝になり、最初に着いたのが御蔵島の神様でした。続いて新島、八丈島、三宅島、大島の神様の順で到着して、それぞれ水を分け与えました。

・そして最後に着いたのが利島の神様でしたが、すでに他の島の神様が帰った後で、水がほとんど残ってなく、怒った利島の神様が不入ヶ沢の池で暴れてその時に飛び散った水が神津島のあちこちに落ちてそこには水が湧く様になったと言われます。

・その後、最初に水を分けてもらった御蔵島は水の豊富な島になり、一方で最後になってしまった利島では水に困る様になりましたと水分神事と言われる言い伝えです。神津島の前浜海岸にはこの言い伝えのモニュメントがあります。

天上山登山道より眼下に望む前浜市街地
・火口縁を更に進んで行くと崩壊した谷の下には前浜の市街地が望めてとても高度感があります。

天上山山頂

天上山山頂より山頂火口原を望む
・天上山山頂部の広い火口原に入って他より少し高くなっている所が天上山の山頂です。標高は572mで頂上からの展望はとても良く八丈島を除く伊豆の島々が望めます。

温泉保養センター(薄い黄色の温泉でとても塩辛い温泉でした。)
・山頂ではとても風が強く寒かったのですぐに下山して白島登山口に戻りました。

・前浜の民宿に戻る前に沢尻湾にある神津島温泉保養センターに寄り、登山の汗を落として行く事にします。神津島温泉保養センター



1月4日


神津島火山巡り→神津島出港→東京竹芝桟橋→東京上野にて日本火山の会の懇親会に参加→自宅



神津島火山巡り編(後)


神津島空港ターミナル
・山頂ではとても風が強く寒かったのですぐに下山して白島登山口に戻りました。

・翌日の朝8時、前浜の民宿を出発して今度は神津島の南側を巡ります。前浜の市街地から急な坂道を上がると畑が広がる神津島でも、のどかな風景となります。

・さらに進むと神津島南側台地の上にある神津島空港に到着します。

空港付近で見られる降下軽石層の露頭
・神津島空港を過ぎた辺りで高さ約5mほどの露頭を発見して観察します。間に軽石が入った白い堆積層です。

多幸湾展望台に展示されている黒曜石
・この後、多幸港に向かいましたが、その途中には多幸湾を望む展望台と神津島産の黒曜石が展示されておりました。

多幸港に停泊する東海汽船の客船かめりあ丸
・多幸港に到着して東海汽船の客船が入港して来るのを待ちます。そして午前10時に東海汽船が入港して、客船からは観光客が下船して来ます。

1時間ほどの停泊時間の中で船内の清掃等荷役作業を行っているので、自分を含め帰りの船を待つ乗客は入港した客船にはすぐには乗船出来ません。
・午前11時前、荷役作業も終わって帰りの東京行きになった東海汽船に乗船して出港を待ちます。

・そして午前11時神津島多幸港を出港。一路東京に向け航海します。式根島、新島、利島を経由して伊豆大島には午後3時に到着して、伊豆大島では30分ほど停泊します。その間にも高速ジェット船が入出港して客船を追い越して行きます。

・午後3時半伊豆大島を出港して後は東京を目指すのみです。徐々に大島の島影が小さくなって行き、夕暮れになった相模湾を北に航海します。

・夕日の向こうには伊豆半島が望め暫くすると房総半島と三浦半島の陸地が見えて来ます。日が落ちて暗くなると房総半島と三浦半島の岬からの灯台の光が水平に回りながら海を照らしています。

・陸地にもひとつふたつと灯りが点き始めて、客船は東京湾に入って行きます。東京湾の浦賀水道で若干、船の速力は落ちますが、横須賀の市街地を横に見る様になるとまた速力を上げます。

・横浜、京浜工業地帯の工場群、羽田空港の明りを通りすぎると、今日の東京竹芝桟橋の入港時間が少し早くなるとの船内アナウンスが聞こえて来ました。

・はからずも今夜は東京で日本火山の会の懇親会が開かれると知っていましたが時間的には無理かなと思い当初参加はしないつもりでしたが、思っていたより早く着きそうなので、懇親会の幹事をしている赤司さんに連絡を入れて懇親会に参加をする旨を伝えました。



日本火山の会懇親会編

・東京港に入ってレインボーブリッジをくぐると船内では東京入港を知らせる音楽が聞こえて来ます。そして午後7時すぎ東京竹芝桟橋に到着。12時間余り乗っていた客船を降りて神津島から原付を載せたコンテナが降ろされるのを待ちます。

・コンテナの扉が開き原付を受け取ってからは東京上野で開かれている懇親会の会場に向って走ります。

・午後8時に懇親会の会場に到着。参加されている皆さんとお会いする事が出来ました。ちょうど、懇親会一次会の終了に間に合う形で参加できました。日本火山の会懇親会の模様

・この後、会場を移して懇親会二次会に参加。今回の火山巡りの事を話しながら皆さんと楽しいひと時を過ごす事が出来ました。

・懇親会終了後、都内を南下して自宅には午後11時に着きました。



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