北海道駒ケ岳

2007年箱根火山OFF会

2007年9月22日

 13回目の火山OFF会は、2回目の箱根OFF会となりました。日帰りということもあって、主に近県の方の参加となりましたが総勢11名の方にお集まり頂きました。9月末には珍しくかなりの気温上昇と素晴らしい天気に恵まれ、多少の汗はかきましたが快適な登山巡検となりました。
文責:大澤

 集合は箱根湯本駅。ロマンスカー組が到着しました。

 乗り換え時間があまりなかったので、自己紹介は後にしてとりあえず登山電車に乗り込みます。登山電車は箱根湯本を出発するときの一番後部に陣取ると、スイッチバック時にマニアックな風景が楽しめます。

 ケーブルカーを乗り継いで早雲山駅へ。この日はかなりの混雑で、ケーブルカー内でのクリノメータ計測はできませんでした。

 早雲山駅の外に出て早雲山の露頭を観察します。強羅駅周辺の大きな岩塊はこの早雲山の土石流が元となっています。噴気があまり確認できませんでしたが、噴出量が少ないわけではなく、その日の気象条件によって噴気の見える量が変化するようです。

 古期山体(古期外輪山)の明星ヶ岳の大文字が間近に見えました。このあたりの山体は従来古期外輪山と呼ばれており、一つの大きな成層火山(標高2700m)がカルデラ崩壊した名残と考えられておりました。 現在の調査からは個々の山体が多数集まってできているとされております。

 ロープウェイで大涌谷に向かいます。11名で1ゴンドラ貸切でした。大涌谷が見えてくると皆様急に立ち上がったり写真を撮ったりと一気に盛り上がってきます。

 冠ヶ岳も実によい景色で迎えてくれました。噴気もそこそこに確認できたので、ワクワク度が増してきます。

 ここに来たらお約束の黒タマゴ。1個食べると5年長生きします。

 黒タマゴをおかずに、お弁当。外で食べるのは実に気持ちがいいです。

 昼食後に大涌谷自然研究路を歩きます。あちらこちらから噴気が出ていて、にんまりとする方が続出・・

 ちょっと登るとすぐに噴気地帯の近くまでたどり着きます。

 ここで黒タマゴを茹でています。噴気の温度は90〜110℃、湯釜の水温は約95℃です。茹で上がった後、隣にある噴気ガスで蒸すと硫化鉄が奇麗に付着して真っ黒なタマゴができあがります。

 大涌谷から眺める古期山体の明神ヶ岳です。山頂付近の露頭では成層構造の断面が確認できます。

 噴気の香りがする登山道入口で記念撮影。ここから登山のスタートです。

 富士山の頭が奇麗に見えていました。

 登山道は噴気地帯の真ん中を抜けていきます。

 徐々に高度が上がっていきます。外輪山(金時山)と台ヶ岳がよく見えてきます。

 30分ほどの登りで風穴にたどり着きました。天然のクーラーのように風穴からは冷風が吹いてきます。この風穴は、溶岩ドームの岩塊が造った累石型の風穴のようです。この周辺にはかなりの頻度で見つけることができます。今日はここで引き返すことにしました。

 大きな転石がごろごろしているので、下りの方がきついところも何カ所かあります。

 抜けるような青空の下で記念撮影。(偏光フィルター使用)

 大涌谷から桃源台までロープウェイで下ります。神山の山体崩壊による岩屑なだれが造った地形もよく観察できました。この岩屑なだれによって川がせき止められて芦ノ湖が誕生しました。

 海賊船で中央火口丘の形状観察に行きます。乗船客の半分以上の方が外国から観光でいらした方々でした。

 神山から駒ヶ岳にかけていろいろな溶岩流の跡が見て取れます。

 駒ヶ岳の溶岩堤防を熱心に観察する参加者の方々。

 中央火口丘の典型的溶岩ドーム、二子山の形状もはっきりと観察できました。

 最後は新期山体(前期中央火口丘)の屏風山と箱根町断層で崩れ落ちたと考えられている恩賜公園を眺めます。ここはいままで新期外輪山とされておりました。安山岩〜デイサイト質の山体です。

 反省会は箱根ビール蔵で行いました。

 ビールと練り物で延々と火山談義が続きます。

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