北海道駒ケ岳

磯部鉱石資料館と鴨川の枕状溶岩を訪ねるOFF会

2008年4月2日

 ある日の居酒屋で金銀鉱石の話題から、千葉県茂原市にある「磯部鉱石資料館」を見学しようか?と言う話しになりました。合同資源産業(株)と言う地下水から「ヨウ素」と「天然ガス」を採取している企業が、幾つかの金銀鉱山を経営して来た時代に、創業社長の「磯部 清氏」が全国の鉱山から集められた鉱石を展示している資料館である為に、資料の充実度(全国900の鉱山から700鉱山の標本1300個を展示)とは逆に、見学は平日のみ許可される為少々敷居が高い場所です。平日に休暇を取って金銀鉱石を見学するので、出来ればその日の午後も有意義に使いたいと、少しばかり足を伸ばして鴨川と嶺岡の枕状溶岩を観察する事にしました。

磯部鉱石資料館外観 千葉県茂原市


 4月2日、午前10時少し前に「磯部鉱石資料館」に到着。かって実際に鉱山で勤務しておられた職員の方の御案内を頂きながら見学をさせて頂きました。幾つかの鉱石をご覧頂きましょう。

まずは菱刈鉱山の金鉱石の写真から。これはルーペを介しての接写です。




山形県真室川鉱山




秩父鉱山の金エレクトラム。資料館のパンフレット表紙も飾っています。




宮城県細倉鉱山



 余りにたくさんの鉱石展示に、参加者全員が我を忘れてこれらの鉱石標本に見入り、写真を撮影し、職員の方の鉱石採集のご苦労に聞き入りました。辛抱強く我々の質問や見学・撮影にお付き合い下さった職員さん、有難う御座いました。
 移動開始直後に道路工事現場で見掛けた火山灰層の巨大な露頭です。画像が小さくて見難いとは思いますがこの画像の範囲で恐らく標高差が30mほどと思いますが、この右手に我々が通過する広域農道のトンネルがあります。
 2006年8月に此処を通過した時は、未だ掘削も進んで居ませんでしたし、山に登る道を掘削している(急勾配でしたが)ものとばかり考えていました。どうやらトンネルの代わりに道路を掘削しているように見えます。
 画像のほぼ真ん中にやや赤紫の線が判るでしょうか?右に濃く(厚く)左側では消滅しています。






 2006年8月頃には当時は厚さ1mほどのこの様な焼けた火山灰層らしきものが見えていました。(道路に平行面)恐らく、上総層群国本層か梅ヶ瀬層に相当するものと思われます。今回は平日でしたので、作業員が行われており露頭に取り付く事は出来ませんでした。その後、移動途中のコンビニで弁当を購入、その駐車場で休憩を兼ねて駐車場で昼食としました。
 鴨川と嶺岡の枕状溶岩の露頭は、2005年7月に「火山の無い千葉で火山に思いを馳せる会」のOFF会でも訪ねた場所です。今回の参加者5名中3名がリピーターと言う事になります。
 鴨川の枕状溶岩に興味を抱き、取り付かれてしまった前回の幹事が、とうとう60頁余りの試作版「枕状溶岩」資料集を作成して参加者にご覧頂きました。この資料集はもう少し内容を充実させて、年内に私家版CD版で発行予定とか!
 最初は、鴨川漁港の八岡海岸への入口にある石灰岩を巻き込んだ枕状溶岩の観察です。表よりも裏側が判り易い様です。 「鴨川青年の家」に立入の許可を頂き、体育館裏の「枕状溶岩の小道」へと回ります。この間、参加者には持参頂いた双眼鏡で青年の家横に聳える岩体の頂上部をご覧頂きます。






 左の写真は巡検案内書の表紙に採用したものです。風雨にさらされて意外と新鮮な枕状溶岩の重なりを観察する事ができます。前回の観察会では此処までは眼が届いていませんでした。
 「枕状溶岩の小道」は幹事の勝手なネーミングですが、丁度枕状溶岩を凹型にくり抜いて小道を作っている為に枕状溶岩の断面と表面を一度に見る事が出来る非常に貴重な場所です。枕状溶岩の上の面は崩壊防止等の為に、残念ながらコンクリートで固められて保護されていますが、八岡海岸を見下ろす事の出来る海岸側の小さな広場では、「何の変哲も無い岩石」と言えそうな表面にも出会えます。






 この後は、駐車場から海岸に下り、様々な枕状溶岩が波による侵食で水平な面で切った断面を観察です。枕状溶岩の重なり具合と侵食の状況から、急冷ガラス層(波による侵食で隙間として観察される)や枕状溶岩の周辺冷却層(小型の柱状節理部分)やその内側のもやもやした部分などが観察できます。細かく砕けてしまった"ハイアロクラスタイト"や枕状溶岩がばらばらに崩れた事が判る"ピローブレッチャ"もあります。
 この後、嶺岡浅間の採石場跡で同様に枕状溶岩と蛇紋岩を観察後、お仕事の都合で少し早めに帰られる"I"さんと保田ICでお別れ、遠方より御参加頂いた"S"さんは保田駅までお送りし、最後に残った3人は保田漁協の経営する「番屋」で豪華な「番屋寿司」と「活イカの刺身」などに舌鼓を打ちながら、今回の反省と次回の中小坂鉄山と本宿OFF会への思いを交流し、未だ明るい時間に保田を後にしました。
 楽しく、充実感を得られた一日を過せました。今回は幹事の不手際で記念写真がありません。申し訳ございません。

文責:赤司





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