北海道駒ケ岳


 日本火山の会の目的


 日本火山の会は、災害だけでなく、様々な恵みを私たちにもたらしてくれる存在として火山をとらえ、


火山に広がる素晴らしい自然と文化を、

日常的に親しみ、仲間と分かちあい、多くの人に伝えていこう


という目的を掲げ、様々な活動を行っています。


 人を魅了する火山の姿



ハワイ・キラウエア火山の溶岩流
撮影:荒川和子


 火山活動は自然現象の中でも特に生きている地球の躍動を感じさせる現象です。巨大なエネルギーが目の前で解放される噴火の光景は私たちを圧倒します。噴火を目の当たりにした時に、その激しさに怖れを抱く人がいます。また噴火現象の美しさに魅了され、火山の不思議な振る舞いに興味を持つ人もいます。


日本を代表する活火山の一つである浅間山
撮影:上野龍之
 噴火によっては人間生活にまで影響が及び、時には火山災害が起こります。しかし、すべての火山が災害を起こすような噴火をするわけではありません。また火山が噴火して災害をもたらす期間は一般には数日から数年です。その災害をもたらす噴火期間よりも、はるかに長い休止期間に、火山がもたらしてくれる恵みを私たちは知らず知らずのうちに受けています。


 恵みを通じた火山との新しい向き合い方


 日本は火山国です。約260万年前から現在までに噴火した第四紀火山が狭い国土の中にあります。その中で、111火山が今後も噴火する可能性のある活火山として指定されています。

 太古の昔から日本人は火山災害を経験してきました。また例えばパニック映画の中では火山は恐怖を与える存在としてしばしば描かれています。そのせいか、火山というと大噴火を起こして、私たちの命や生活を脅かすだけというマイナスのイメージを持つ人が日本には多いかもしれません。しかしそれは害も恵みも与える火山の一面しか見ていません。

日本の火山分布
拡大画像


 逆に、恵みを我々にもたらしてくれる存在として火山をプラスにとらえてみるのはいかがでしょう。

  • 火山の恵みは日常的に親しむことが出来ます。
  • 火山の恵みを実感することを通じ、火山の振る舞いを知ることが出来ます。
  • 正しい火山の知識は、噴火のときに身を守るための知恵として役立ちます。
  • 正しい火山の知識は、いたずらに火山を恐れることを防ぎます。
  • 火山への興味は人々を火山へと導き、火山地域を盛り上げます。


  •    火山は、私たちが生きている時間よりも遥かに長い何十万年もの時間を生きています。噴火の休止期間が何十年、何百年を越えることの方が一般的です。そんな長い時間の中では火山の“恐ろしさ”の正しい記憶は時とともに薄れがちです。一方で、恵みを通じて火山を日常的に親しんでいくことで、害も恵みも含めて火山と共生していくための知恵を積極的に後世へと伝えることが出来るはずです。このような火山との新しい向き合い方が、火山国に住む日本人にとっては重要なことと考えます。


     火山ファンの集いとしての火山の会


     火山を研究している専門家の集まりとして日本火山学会がありますが、日本火山の会は“学会”ではなく、日常的に火山を親しむことを目的とする一般市民の会です。

     日本火山の会のコミュニケーションの中心である火山の会FACEBOOKグループでは、火山学的な内容はもちろんのこと、火山に関係することであればなんでも話題になります。火山の会には、火山がなんだか気になり始めたという方から火山に心酔しきっている火山学専門家の方まで様々な立場の方々が参加しています。火山の会への参加資格は“火山に関心があること”だけです。火山の会は、立場を超えた“火山ファンの集い”として成り立っています。