画像でたどる死都日本・山体崩壊とブラストの発生
画像でたどる死都日本


山体崩壊とブラストの発生

6月18日16時19分
霧島火山


(1)“溶岩ドームは更に大きく膨張して,古い韓国岳を下から崩し始めた”(第4章,p.115)
(2)“岩盤は...崩壊しながら水蒸気爆発の爆裂口方向へ移動し始めた”(同,p.115))
(3)“遂に岩盤をバラバラに噴き飛ばして音速を超えた発泡膨張,つまり爆発を起こした”(同,p.115)
(4)“半径3キロの扇形の部分が,摂氏700度を超えるブラスト(爆風)と共に吹き飛び...時速320キロで北西方向に拡がり,途中の樹木をすべて薙ぎ倒し...更に2分後,岩屑流と火砕流が襲って来た”(同,p.115〜116)

(撮影:伊藤英之)

解説:
 成層火山体はたいてい,その一生(数万〜数十万年)の間に何度か,大規模な山体崩壊を起こす.山体崩壊がマグマの貫入によって引き起こされる場合は,山体崩壊と同時にマグマの急激な減圧発泡と大爆発が誘発されることがある.

 画像は,1980年に山体崩壊したセントヘレンズ火山(アメリカ)の現在の姿である.崩壊が起こった結果、山体が無残にもえぐられ、馬蹄形カルデラが残った.崩れた山体は岩屑流となって画像右方に時速200km前後のスピードで流下した.岩屑流の流下距離は20kmを越える.山体崩壊が始まって数秒後に、横殴りのブラスト(爆風)が襲ったといわれている.ブラストの速度は秒速300mにも達した.火口から約15km離れているこの画像の撮影点は、ブラストの発生から約50秒後にブラストに襲われたことだろう.ブラストによって山腹の樹木が手前になぎ倒されているのが良く観察できる.  

画像図解

 このようなブラストを伴う山体崩壊は1640年に北海道駒ケ岳で、1888年に磐梯山でも起こっており、同様の山体崩壊地形を見ることができる.

関連リンク

  • アメリカ地質調査所によるセントヘレンズ火山1980年噴火に関する解説
  • 和知さんと千葉さんによる「セントヘレンズ火山噴火から20年」
  • 火山学者に聞いてみよう−トピック編−セントヘレンズ火山
  • 本サイトの文章・画像の著作権について
    本サイトに関するお問い合わせはこちらから

    “噴火開始”解説ページ一覧へ戻る